風の又三郎 九月八日 雨のサイカチ淵



佐太郎が学校に魚の「毒もみ」を持って来たので
皆は朝からひそひそとその話ばかりでした。

「毒もみ」は発破と同じ様に巡査に捕まるのです。

授業が済んでから皆んなは一目散に
サイカチ淵へ飛び出します。

すっかり夏のような立派な雲の峰が
東でむくむくと盛り上がり、
サイカチの木は 青く光ってみえました。

皆んなが見守る中 佐太郎がその「毒もみ」の入ったザルを
上流でジャブジャブと大威張りで洗いました。

「魚が浮いて来たら 泳いで行って取れ。
取ったくらいやるぞ。」

佐太郎の言葉に 小さな子供らは喜んで顔を赤くして、
推しあったりしながら ぞろっと淵を囲みました。

皆んなが水を見つめている中 で
又三郎は雲の峰を通る黒い鳥を見ていて
一郎は石をコチコチ叩いていました。

ところが かなり時間が経っても一向に魚は浮いて来ません。

佐太郎はきまり悪そうに
「鬼ごっこしよう!」と皆んなを誘います。

(又三郎が鬼になるシーンがとても面白かったです。)

皆んなは粘土質のツルツルと滑る狭い坂の上に
固まって逃げ込んでしまいます。

又三郎は賢く皆んなを捕まえる作戦に出ます。

又三郎が 粘土にバシャバシャと手で水を掛けると
ツルツルに なって皆んなは芋ずる式に
ズルズルと滑り落ちて来るのです 笑)
見事に一網打尽!

「又三郎って なんて賢い子!」

学校では教えてくれ無い事を 遊びの中から
会得するのですね。


話は又 戻りまして~~笑)

しかし その時 既に空がいっぱいの黒い雲になり
ゴロゴロと雷まで鳴り出してしまいます。

まるで山津波の様な音がして 一ぺんに夕立になりました。

皆んなは河原から着物を抱えて合歓の木の下に
逃げ込むと

又三郎もはじめて怖く なったと見えて
みんなの方へ泳ぎだしました。

すると誰となく
「雨はざっこざっこ雨三郎 風はどっこどっこ又三郎」
と叫んだものがありました。

みんなもすぐ声を揃えて叫びました。

「雨はざっこざっこ雨三郎 風はどっこどっこ又三郎」

すると又三郎はまるで慌てて
何かに足を引っ張られるように淵から飛び上がって
みんなのところに走って来て

「今叫んだのは おまえらだちかい」と聞きますと
「そでない、そでない。」みんなは一緒に叫びました。

ぺ吉が又一人出て来て 「そでない」と言いました。(可愛い!)

又三郎は気味悪そうに川を見ながら
色の褪せた唇を何時ものようにきっと噛んで
「何だい」と言いましたが からだはやはり
がくがくふるっていました。

そしてみんなは雨の晴れ間を待って
めいめいのうちへ帰ったのです。

~~~~~~

普段川はとても静かに流れている様に見えます。

しかし 一旦上流で雨が降ると急に水かさが増して
川の水も冷たくなり 一気に気温も下がります。

川遊びをする時は 特に上流付近の黒雲を
常に注意したいものですね。

川遊びに行って予想外に水かさが増していて
泳がずに帰った事もありました。

上流付近で雨が降ると こんなに水が出るとは!
とその時学習したものです。

又 流れが岸に当たる場所はえぐれていて
急に深くなって渦を巻いているので
引き込まれてしまいます。

自分がこれから遊ぶ場所を良く見て
何処が危険かを見極め無ければいけません。

こうして 危機管理能力は 遊びを通して
自然に育まれていくのかなと思います。


いずれにせよ 又三郎は 溺れなくて良かった!


子供なりにどっかで落とし前をつけて?
自分を納得させる方法も大事かも。

喧嘩するほど仲が良いって 言うけど
こう言う風に遊びのなかで
コミュニケーション能力が高まるのですね~♪

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