父、岩手山で雪女に会う



子供の頃岩手県の遠野に住んでいたことがあります。
冬にこたつで暖まりながら、父親の晩酌の傍らに居るのが好きでした。

ある晩のこと、私の顔をのぞき込んで父が言いました。
「雪女をみたことがあるんだぞぉ」

父がまだ若かりしころ岩手山にスキーに行ったときのこと。
日も暮れて吹雪となり、山小屋に避難したのだそうです。
「その晩出たんだ雪女が」
私は、そのときの父の顔が余りにも真に迫っていたので息を飲みました。
見たこともないような美人だったと父は言います。
父の顔をのぞき込んですっと外に出ていったのだとか…
父はその話はその後いちどもしませんでした。

私が大人になってから雪女の話をまたふってみました。
本当に見たと言い張ります。
でも、その顔は怖そうな顔ではなくどこか懐かしげに見えました。

私は雪女はいると思います。
あのときの父の顔が忘れられないからです。

でも、昔はハンサムだった父は、外国に行って俳優になりたかったんだとか。
あれは父の演技だったのかも。

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Author:優
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